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元nanapiプロデューサー 永田ゆにこの日記

9年勤めたSupership株式会社を退職します

表題の通り、2019年8月末日をもちましてSupership株式会社を退職します。
最終出社日は2019年7月29日でした。
Supership自体は2015年に設立された会社ですが、Supershipに合併する前の株式会社nanapiおよび、nanapiの前身となる株式会社ロケットスタートからのジョインなので、9年と3ヶ月の在籍となります。この9年間で数え切れないほどの方々にお世話になりましたので、直接お伝えはできませんでしたが、ご報告の意味を込めて退職エントリーを書きたいと思います。

退職を決めた理由

シンプルに、nanapi時代から引き継いできたものが一旦終わったからです。
前回の記事でもお伝えした通り、2019年6月末日をもちまして、自らが率いてきた『暮らしの情報サイト nanapi』が更新停止となりました。
これまでずっと走ってきたのは、常に目の前にやるべきことが残っていたからで、それは自分のやりたいことでもあったし、nanapi時代からいる人間の責任とも思っていたし、時には意地で続けていた時期もありました。nanapiは自分がなんとかするしかないと強く思っていて、最後の2年はこれまでと違うものを作れると信じていたので、それを成し得たかった。更新停止のお知らせを自分の手で出せたことは救いでした。長い旅が終わった、という感覚です。

この9年やってきたこと

ロケットスタート時代(2010年〜)

もともとnanapiのユーザーだったことからご縁があり、何度か外注デザイナーとしてお仕事をさせていただいたのち、正式にロケットスタートの一員として迎え入れていただきました。しかしそれまでは主に受託デザイナーであったため、サービス開発とクライアントワークの作法の違いに戸惑い、始めの頃はみなさんの足手まといだったと思います。徐々にサービスを伸ばしていくやり方を覚え、数字を追ったりすることにも慣れ、nanapiだけでなくnanapiから派生した別サービスの開発などもがんばりました。開発技術もいっぱい勉強させてもらいました。

nanapi時代(2012年〜)

「チームみんなでひとつのことを頑張る」という楽しさに目覚め、徐々にデザイナーからディレクターの仕事に移行し始めました。主にサービスのグロースと、運用を中心にやっていたと思います。始めは「みんなでがんばろうぜ!」っていう雰囲気だけで強引に進めていたような気もしますが、ラッキーなことにディレクター陣が超絶優秀な人揃いだったおかげで、見よう見まねで何とかまともなディレクションスキルを習得することができました。新たにサービスを作っては閉じ、作っては閉じ、とにかくチャレンジの日々でした。

Supership時代(2015年〜)

3社合併し、Supershipになったタイミングから管理職の道へ進み始め、自分のチームを持ちプロジェクトを任せてもらいました。しかしながら自分のチームを持ってプロジェクトの責任者になるということは本当に大変で、事業部会ではまともな報告もできず心底情けなかったです。予算管理などの数字の引き方や、事業計画作成なども経験が浅いことで苦労しました。しかし、現場より少し俯瞰して見ることにより会社全体を見渡すことができ、本当に多くのことを学びました。自分のプロジェクトを会社に承認してもらい、チームを作りメンバーひとりひとりを見つめて評価に繋げ、プロダクトも妥協しない、という3点を立たせるのは難易度が高く大変なことでしたが、失敗を中心とした数々の経験はSupershipになったからこそできたもので、今後のキャリアにおける大事な財産となりました。

これからやりたいこと

これまでは、開発、グロース、運用、編集、などをやってきたのですが、プロダクトのチャレンジフェーズが多く「しっかりビジネスに繋げて稼ぎ、事業を拡大させる」という経験があまりありません。nanapiも最後の2年は、PV保証に替わる新しいマネタイズから逆算した価値づくりと商品設計をやっていて、今年からようやくビジネスへ繋げていく、という段階だったのですが結局それもできなかったので。
世の中や顧客の課題解決から、設計、開発、運用をし、価値を作り上げてマネタイズに繋げしっかり稼ぐ、というところまでできるようになれば、これまで培ってきた一連のスキルを活かせると共に、開発からビジネスまでの一通りができるようになります。
マネタイズやアライアンスなど事業を拡大する際に必要なビジネススキル、現場を俯瞰した組織編成や仕組みづくりなどのマネジメントスキル、根拠のある判断ができるよう専門的なマーケティングスキル、などを新たに習得していければ、と考えています。

感謝の気持ち

nanapi時代のみなさま

始めの5人から最後は50人ぐらい?と規模がどんどん移り変わったnanapiでしたが本当に優秀な方が多く、教えあうのが当たり前という文化のおかげで常に勉強をさせてもらっていた気がします。なんか悩んだりつらいこともあった気がするんですが、今となっては楽しい思い出しか残っておらず、会社に行くのが嫌だなあと思った日はまじで1日もありませんでした。ひとつのプロダクトを中心に、みんなで盛り上げていくことの楽しさや面白さが本当に最高でした。こんなに楽しい道へ迎え入れてくださった役員の方々、惜しみなく技術を教えてくれた開発部の方々、最後にわたしの手に渡るまでそれぞれの時代でnanapiを運営し支えてくださった方々、nanapi社で一緒だった全ての方に感謝します。本当にありがとうございました。

Supershipのみなさま

nanapi、ビットセラー、スケールアウトという異文化の3社が合併してできたSupershipでしたが、最初こそその文化の違いに戸惑ったものの、とにかくいい人が多く、nanapiのビジネスが苦しいときも、他部署の方々がいろんなタイミングで協力してくれたり、応援してくれたりして、そういうのが全部めちゃくちゃ嬉しかったです。Supershipにならなかったらこういう人とは絶対巡り会わなかっただろうなーと思う人もいっぱいいます。部活も楽しかったです。多くの出会いに感謝します。Supershipの事業の中でたくさんのチャレンジをさせていただき、本当にありがとうございました。

最後一緒にnanapiをがんばってくれたチームメンバー

ゼロスタートどころかマイナスからのスタートだったにも関わらず、前向きに高い熱量でnanapi再生に一緒に取り組んでくれた優秀なメンバーがいたからこそ、最後までnanapiをやれたと思っています。そんなに大したことができるリーダーでもなかったんですが、みんなに思いっきり引っ張ってもらい、最後は全員が同じところをしっかりと向けている素晴らしいチームになっていたのではないかと思います。1お願いすれば爆速で3実装してくれる開発陣、確実に人の心を掴み数字を積み上げるコミュニティマネージャー、手間を惜しまず最高のコンテンツを作ってくれた編集部。一緒にnanapiを作ってくれて、本当にありがとうございました。

導いてくれた上司

nanapi時代のかなりポンコツな状態のデザイナーからディレクターへそして管理職、プロデューサーまで導いてくれたのが2013年から2017年まで上司だった岡山さんです。自分でも気づいていなかったセンスや適性を見事に見抜いてくれて、それらを発揮できる場所に配置してくれて、泣き言を言い続けるわたしに粘り強く付き合ってくれて、気づけば自分に向いている道が拓けてここまで来ることができました。一時は方向性の違いから派手な大喧嘩をしたわたしたちですが、ここまで感情を強くぶつけてまでわかり合いたいと思った人は初めてでした。必ずまた合流して一緒に仕事をしましょう!本当にありがとうございました。

8月は有休消化をします

別に有給消化しなくてもいいかな〜?と思っていたのですが、周りの人の「こんなタイミングそうそうないから使え!」の言葉に後押しされ、8月いっぱいは有休消化をすることにしました。毎日暑いしね…。
とはいえ通う場所がないと気が狂いそうになるので、毎日ジムにでも行こうかと思います。先日後輩と行った台湾旅行で占いや足つぼマッサージでも運動不足を指摘されてしまったので…(占いで運動不足指摘されるって何・・?)
そういう感じですのでだいぶ時間があります。ランチやお茶などしていただける方がいましたらご連絡ください。割とどこでもいけますので、どうぞよろしくお願いします。

地味なお知らせ

2015年から、middleman+githubpagesで作ったブログ、http://yuni.co を更新してきたのですが、さすがに2019年にもなって更新するたびにdeployするのはつらくなってきたため、https://www.yunico.jp/に移行しました。久しぶりにcssをたくさん書けて楽しかったです。(いくつか記事もうつしたよ)
前のブログはそのうち閉じる予定ですので、今後はこちらのブログをよろしくお願いいたします。

nanapi更新停止をお知らせしました

昨日お知らせした通り、2019年6月30日(日)をもちまして、nanapiは更新停止となります。

今回のことの経緯についてはいろいろ事情があり詳細までは書けませんが、2016年の終わりに行ったリニューアルをきっかけに「新しいnanapiをつくる!」と約2年間推進してきた立場としては本当に残念です。

Twitterでもお知らせを出したところ、ユーザーさんから返ってくるリプライを見て「これから伝えようとしていたユーザーさんに、伝えたいことがちゃんと伝わり始めていたんだな」と感じました。たくさんのリプライに対し、心をこめていいねを押しています。nanapiのお問い合わせフォームからもメッセージをありがとうございます。nanapiを使ってくださってありがとうございました。ライフレシピもLINE@のお気に入り機能も残りますので、引き続き少しでもみなさんの生活のお役に立てたらとても嬉しいです。

わたしも6月末日をもってnanapiのプロデューサーではなくなります。もともとわたしはnanapiのユーザーで、夢中でレシピを投稿していたら、ご縁がありロケスタ社(nanapi社の前身)に入れていただいたのが始まりで、そこからずっとnanapiと共に過ごしてきました。自分の手で更新停止のお知らせを出せたのは、残念なことになってしまった中でせめてもの救いであり、償いだと思っています。

ロケスタ社に入社するとき、当時のCTOとCOOに「ベンチャーだけど、遊びではなく、本気でnanapiに参画できる?」と代々木のカフェ・ロリータで聞かれたことを覚えています。9年越しの答え合わせとして「本気で参画できた」と言っていいんじゃないでしょうか。わたしにとってnanapiはただのプロダクトではなく、ロケスタ社・nanapi社での歴史、一緒に働いた人たちとの思い出も含めた、この9年の全部です。

nanapiを応援してくださったみなさま、これまで一緒にお仕事をさせていただいたみなさま、協力してくださった企業さま、最後の最後まで一緒にがんばってくれたチームのみんなに、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。

nanapi→Supershipを3年経験してみての振り返り

2018/11/1でSupershipは3周年

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2010年から所属している株式会社nanapiが他の2社と合併して、Supership株式会社になったのはちょうど3年前。祝3周年ということで、会社でもお菓子をいただきました。
良いタイミングなので、少し振り返り、これまでのこと、いま思うことなどを書いてみます。

あっという間の3年間

2015年も2016年も2017年も2018年も、環境や人や事業がどんどん変わり、毎年全く違う年で、まるで4本の長い映画を観てきたような気持ちです。

合併当初は混乱も多く、合併した会社それぞれの文化もバラバラで、Supershipの組織や制度もまだまだって印象でした。
周りは知らない人ばっかりだし、別の部署は何してるのかよくわからないし、新たにやらなきゃいけないことも訳わかんないし、孤独感も強かった。
nanapiのカルチャーや人が大好きだったから、合併していろいろなものが失われたのは本当に辛かったです。経験したことのないことが立て続けに起きたりもして、最初の頃はひたすらに悩んだりめそめそしてばっかりでした。(本当によく泣いていた…)
このときに辛抱強く、気持ちの整理に付き合ってくれた当時の上司には一生頭が上がりません。

でも、3年かけていろんなことが落ち着いたり改善されたりして会社も成長し、Supershipもかなり変わったと思います。

細かな制度の改善もちろん、フィロソフィーも何度か練り直されて、先日新しいものになりましたが1番目に「従業員の幸せの追求」が掲げられていてありがたいです。でも、個人的には3番目の「正しいことを正しくやる」が特に良いと思ってます。
世のネット広告は正しい方へ向かって欲しいし、メディア業界もこれからはちゃんと価値を提供して正しくマネタイズをする時代になって行くだろうし、nanapiもそうありたいと思って日々がんばっているからです。
「syn.」構想も失敗を認めて、ちゃんと終了したのもすごく良いと思います。サービスを作ってる人ならわかると思うけど、そう毎回当たるものでもないから、失敗の中で次のヒントが見つかるなんてとってもいいじゃないですか。

他にも、最初は知らない人ばっかり(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )と思っていたけど、数年同じフロアで顔を合わせたり、プロジェクト横断で関わらせてもらったり、部活制度なんかのおかげでいろんな人と繋がりができましたが、本当にいい人が集まっており、みんなめちゃくちゃ優しいというか、全然関係ないことでも気持ちよく協力してくれてびびります。
毎度ご迷惑をおかけしているみなさん、ご協力いただいているみなさん、支えてくださっているみなさん、いつもありがとうございます。

というわけで、わたしは今のSupershipは結構好きです。大変な時代もずっと見てきたから、いまようやく本当にそう思えるのかなあと思います。

nanapiも変わっていきます

nanapiを取り巻く環境もめちゃくちゃ変わりました。応援してくれる人も増えたし、バックアップしてもらえているお陰で根気よく改善して良い方向に向かっています。

最近のnanapiはというと、いままでnanapiは検索してもらってレシピを見てもらうのが中心のPULL型サイトだったのですが、こちらからタイミングよく情報をPUSHしたくてnanapiのLINE@を始めました。

2ヶ月で3万人ぐらい友だちになってもらえました。Twitterも15万人くらいフォローしていただいています。ありがとうございます。
nanapiからちゃんとPUSHできたのは初めてなんじゃないでしょうか。結構歴史的な新しいチャレンジがいろいろできていると思います。
これからも役に立つレシピを、ちょうど良いタイミングと方法で届けていきます。

正直ここまできたらもはや意地って感じのところもあるんですが、やっぱり一番はじめにnanapiのユーザーだった頃からハウツーが好きなので、もう一度ちゃんとしたいいライフレシピサイトにしたいです。nanapiがあったからできることが増えた、と思ってもらいたい。
その上で、PVなどに依存しないマネタイズも同時に考えていきます。


そんなSupership社、月曜日は午後からの出社でOKになるみたいです

Supership、毎週月曜午前を有給休暇にする制度「Super Happy Monday」開始

「Super Happy Monday」とは、毎週月曜日の午前中に有給の特別休暇を取得することができる制度です。月曜は午後からの始業を推奨することで、Supershipの新たな働き方を実現する取り組みとなります。

毎週月曜日は午後からの出社でOKになるみたいです(β版として数ヶ月すでにそうでしたが)。

そもそもSupershipという会社では、

  • 普通の有給
  • アニバーサリー休暇(1年に一度、好きな日にお休みできる(なぜか5,000円もくれる))
  • HappyFriday(土曜日が祝日の場合、前日の金曜日が休みになる)
  • 夏休み5日間
  • 年末年始休暇

と以前から休みの多い会社であるのですが、そこに加えさらに毎週月曜午前も(°_°) 
でも普通に社会人してると、役所とか病院とか平日の昼間にしかやっていないところへの用事はハードルが高いので、この制度のおかげでだいぶ助かりますね。

というわけで、いろんなことがアップデートされているおもしろいSupershipなのでした。いろいろ採用も募集してるみたいですよ。興味ある方はぜひ。

「生活のたのしみ展」のバイトで、サービス設計やコンテンツについて考えた

株式会社ほぼ日が主催する「生活のたのしみ展」というイベントで4日間アルバイトをしました。そこで、サービス設計やコンテンツに関係・共通する体験をしたので、ブログに書いてみます。

生活のたのしみ展とは

2018年6/7〜6/11に恵比寿ガーデンプレイスで開催された「生活のたのしみ展」。普段ほぼ日で取り上げられる商品や扱われている商品を実際に販売する、というほぼ日がまるっとリアルに飛び出てきたような催しです。前回と前々回は六本木ヒルズで開催され、今回3度目の開催。
1度目は普通に客として参加し、2度目はほぼ日の塾生としてイベントレポートで参加し、3度目の今回はアルバイトとして主催者側での参加。

する方はあってもされる方の面接はめったにないので、バイトの面接はすごく緊張した… 無事採用して頂けてよかったです。

4日目から天候が崩れる

合計5日間の開催だったわけですが、4日目と5日目は雨でした。台風きてましたからね。
会場は一応屋根はあるもののほぼ野外。ガーデンプレイス側ともいろんな調整があったようで、4日目の日曜日は直接雨が当たってしまう約半分ぐらいの店舗を、少し離れた内部の別会場「グラススクエア」に移しての営業となりました。

この日の主な業務は、メイン会場からこの別会場に人を送ること。ここにサービス設計と同じような考察と試行錯誤がありました。

どうしたら別の会場に人を送れるか?

メイン会場の入り口から少し入ったところで、別会場「グラススクエア」への誘導。

ちょっと話が反れますが、前の日、階段の上にもお店があるのにそのエリアへはあまりお客さんが流れず、声がけをして誘導する、ということをしました。階段の上のお店はマップにも記されているし「上にもお店があります」という案内板もあるのに、お客さんは想像以上に「階段の上にあるお店」を認識しません。階段の下から上のお店は見えないので、直接目で見えていないものは非常に認識されづらい。
そのようなことがあったあとだったので、階段の上へ人を送るだけでも結構な難易度なのに、全く別の会場に人の興味を向けるのは更に難しい、という想像はつきました。

しばらく案内板通りに「グラススクエアはこちらです」と声がけをしてみましたが、なかなかお客さんは動いてくれません。

なぜ案内を聞いてもらえないのか

なぜ聞いてもらえないのだろうと考えたとき、そもそも前提として、

  • お客さんは見えている範囲のメイン会場しかないと思いこんでいる(階段の上へ誘導の経験上から)
  • お客さんは雨で半数の店舗が別会場に移動したことを知らない
  • お客さんは店舗が別会場に移動するという発想がない
  • お客さんは別会場の名前がグラススクエアだということを知らない

ということがあるなと思いました。

基本的に、お客さんはメイン会場しかないと思っているので、閉まっているお店を見てもその店舗が別会場に移動しているとは思いません。「ここの店舗が目当てだったのに!」という人以外は、閉まっているお店を見ても、ここは今日やっていないんだな、程度の認識なのかも。
「雨だから店が別の場所に移動する」という、主催者側からすると何でもない情報が、お客さんからするとイレギュラーな発想なので、そこにまずハードルがあるのですよね。そして、別会場の名前が「グラススクエア」だという情報は「雨だから店が別の場所に移動している」のさらに先にあるので、いきなり「グラススクエアはこちら」という案内板を見せられても何のことだかわからないのです。

ほぼ日の塾に通っていたとき、塾長の永田泰大さんから「人は、他の人の言っていること・やっていることに対して初めは、しらんがな、としか思っていない」という話を聞きました。自分に関係がある、もしくは何か興味を惹かれる、というポイントがないと聞いてももらえない、とはまさにこのことだなと。

どうしたら自分に関係あると思ってもらえるか

雨だから別会場があるというイレギュラーな状態であることを伝え、そこには期待するものがあるよ、という言い方なら耳を傾けてもらいやすいのではないか?

そこで、

  • 今日は雨です(雨だよね)
  • 雨なのでお店が移動しています(ここにはないよ)
  • メイン会場以外にお店が移動した別会場があります(移動する必要があるよ)
  • そこにたくさんのお店がある(そしたら楽しいことがあるよ)

と、あなたに関係あることですよ、を伝えるため「本日雨のため、たくさんの店舗が中の別会場に移動しています」という言い方に変えました。ポイントは「たくさんの店舗」「別会場」「移動」という単語です。

その結果「ここ以外にもあるんだって〜」という声が聞こえるようになり、直接場所を聞かれることが多くなりました。グラススクエアという会場の名前は、実際に案内するときに伝えればいいので、声がけの情報として入れませんでした。案内板も「グラススクエアはこちら→」というものではなく、パッと伝わる「雨のため店舗が別会場に移動しています→」とかの方が良かったかもしれないですね。

案内板を目にしてすぐ案内の内容がわかる人もいると思うけど、生活のたのしみ展に来ている人たち全員がそうとは限らないので、できるだけ情報を伝えるハードルを下げた方が、あらゆる人に伝わるのではないかと思いました。

【追記:2018/6/14/17:00】

上記の一文を、

「ほぼ日の読者はある程度、情報の受け取り方に対してリテラシーの高さがあると思うけど、生活のたのしみ展に来ている人たち全員がそうとは限らないので、できるだけ情報を伝えるハードルを下げた方が、リテラシーが低い人にも高い人にも伝わるのではないかと思いました。」

という記載にしていましたが、「ほぼ日の読者」「リテラシーの高い・低い」という言葉から、
ほぼ日の読者と今回のイベント参加者にリテラシーの差があるような表現になってしまったこと、
そして運営側が解決すべき会場の問題を来場者のリテラシーに頼るような誤解を招く表現になってしまったことをお詫びします。
そのような意図はなかったため、該当箇所の撤回と修正をいたしました。
不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。(追記ここまで)

どういう動線での案内が最適か

同時に、伝える場所もいくつか試してみました。

最初は入り口から少し入ったところで案内していたのですが、そこだとすぐ奥にこれから向かうつもりの並んでいるお店が見えるので、お客さんの興味はそっちにいってしまい、別の会場があるなんていうアナウンスは耳に入っていないようでした。

ではどこなら一番聞いてもらえるか。会場を一周回ってきて、奥の集合レジに辿りつき「ここで終わりかな?」って思ったタイミングで案内をすれば「お、まだあるんだな」と思ってもらえるのでは?と想像し、レジ前で案内してみると効果があり、会場を尋ねられる回数が増えました。

最初に案内していた入り口付近の方が別会場に近いのですが、もう一人別のアルバイトの人にわたしのいるレジ前から別会場までの途中に立ってもらい、まずはその人までを案内し、続きの案内はその人にお願いしました。おかげで少し離れた場所を長々と説明しなくて済み、この連携は結構うまくいったと思います。

コンテンツとUX設計に共通すること

というわけで「どのような単語を使ったり、どんな情報を先に伝えると、続きに興味を持ってもらえるか」の話はコンテンツでも同じことが言えるし(この辺はかなりほぼ日の塾で学びました)、「どういうタイミングと場所で伝えると効果的か」という場所の話はUX/UI設計と同じだと思いました。

普段は画面に向かってこういうことを考えているのですが、実際にユーザー(今回でいうとお客さん)の反応を見ながら、細かくPDCAを回せる環境でやってみるとめちゃくちゃ勉強になりますね、、基本的な本質の部分の考えは何事も同じなのだな。

学ぶことが多かった

他にも、エリアマネージャーたちの、会場をいかにうまく回すか、の動きはマネジメントの勉強になったし、次々起こる予想外の出来事を目の当たりにして、イベントを主催するっていうのはすげー大変なんだなっていうことがいろいろ見られてよかったです。

5日中4日の参加で、しかもそのうち金曜日と月曜日は有給、土日も返上、それで時給1,000円っていうと「なんで会社休んでバイトなんかすんの??」と不思議がられたりもしましたが、あれだけでかいイベントの裏側を見られることには大きな価値がありましたし、上記のような学びもあり、良い経験になりました。

お世話になったみなさん、ありがとうございました。

余裕がないときほど手段の目的化に走りがちになる

先週、謎の焦りを感じていて、ふと「やっぱ自分でもちゃんとSQL書けた方がいいな」と思い立ち、SQLの学習方法を検討していました。

FY17のnanapiは主に立て直しや裏側の整理が中心でしたが、4月からのFY18は実際に数字を動かしていくことになるので、ツールを使う言語を習得しておいたほうがいいだろう、という考えの元でした。SQLの基礎知識はありますが、実務としてはできないレベルなので。

でも、ある程度学習方法を絞り、なんとなくそれをエンジニアに共有したとき「欲しいもの(データ)を言ってくれればすぐ出しますよ」と言われて我に返った。自分でデータを見にいくより(意思疎通のとれた)優秀なエンジニアに頼んで出してもらった方が何倍も速いし正確、圧倒的に工数もかからない。だとしたら自分でSQLを叩く理由って何?勉強する時間の意味って?

改めて自分の役割とやるべきことを考えると、生のデータをどうこうすることより、もっと今後の戦略について考えなければいけないことは歴然で、そこがないとそもそもデータをどうこうもできない。SQLは書けた方がいいけどその時間でやるべきことは別にあるし、今じゃないよなー、と。

スキルを勉強するのは「何かを得ようとしている」ことに正義を感じるし、「勉強している自分」が気持ちいいから、安易に思いつきなんですよね、わたしの場合。(このブログもmiddlemanを使ってslimとsassを習得することが目的だったので、作ってるときはめちゃくちゃ気持ちよかったです。)

「何に焦りを感じているのか(課題)」「それをどう解決すべきか(手段)」を整理すればすぐわかることですが、余裕がないときはなかなか冷静にそれを考えられず、とりあえず全てを飛ばして手段の目的化に走りがちです。焦っているときほど「がんばっているような気になれる」ものに流れてしまいがちだなーというのを痛感しました。一人だとクサクサしがちなので、もっと他の人と対話しつつ、冷静にやるべことと最適な手段を選択していきたいものです。

余裕がないときこそ、手段の目的化に走らず冷静に課題整理をしたほうがいいですね、という自戒を込めた普通のお話でした。